業務日誌

2002/02/22 Fri 「摩天楼」

【これまでにわかったこと】「電車の中で寝るのは日本人だけ」というのは本当で、誰も寝ていない・でも本を読んでいる人はいました・ビールが水より安いというのも本当。でも薄味で、日本人が飲んでうまいと思えるビールはあまりない・スシ屋はとても多い。何ブロックか歩けば必ず「SUSHI」の看板が見つかる・ダイエット飲料はコーラだけでなく、Diet SpriteとかDiet 7upとかいろいろある・ドクターペッパーはマクドナルドのドリンクにもあるくらいふつうに人気。チェリーコークやタブクリアなどマズジューには事欠かない。いろいろ飲みました・重さや体積の単位はgやmlではなくoz(オンス)。缶は12oz、ペットボトルは20oz(日本の500mlよりちょっと大きめ)・1ドルには紙幣も硬貨もあるが、硬貨は自販機のお釣りでしか出てこない。50セント硬貨もほとんど見られず、基本的に25セント硬貨が好んで使われる・つまりアメリカは分数の国でヨーロッパは小数の国という・クルマの運転は非常に荒くてちょっとでもじゃまだとすぐにホーンを鳴らす。大通りにいると休みなしにどこかからホーン音が聞こえる・歩行者は誰もが信号を全く守らず、クルマが来なければ渡る。警官の前でもみんな当然のように信号無視・店の入り口等で女性が向こうからやってきたら、自分が先にドアを開けてもそのまま待つ。できないと非常識・「Excuse me.」は1日何回言っても言いすぎではない。すれ違うときコートの裾が触れあっただけでも、いや実際に触れなくてもなりそうなら言う。敵意のないことを示すため、多民族地域ではあいさつがものすごく重要だ・タワーやHMVやヴァージンといったCDショップはもちろんあちこちにあるが、日本国内の店舗のほうが品揃え豊富かもしれない。ちなみに日本人ミュージシャンで置いてあるのはテクノだけで、宇多田ヒカルさえもない・ゲームソフト売り場を見ると、Xboxの扱いはゲームキューブと同じくらいか。PSがその倍でPS2はさらにその倍くらい・当たり前だが、コメのメシはなくてパンばかり。なるほどGEはライスクッカーなんて作っていないわけだ・牛丼がこいしくなる

地下鉄駅1日乗車券を手にして地下鉄に乗りまくっております。10年も前には「ニューヨークの地下鉄=治安最悪・車体は落書きだらけ」というイメージだったと思いますが、落書きが消せるステンレス車体(初期のステンレス車は日本製だったらしい)が導入され、警備も厳しくなったようで、深夜でなければ観光客でも気軽に利用できるようになりました。しかし運転がけっこう荒い。鉄道板の住民が乗ったら激怒して運転士室に殴り込みそうです。とにかく加速も制動もめいっぱいで、慣れないうちはどこかにしっかりつかまっていないと確実にひっくり返ります。ブレーキは0か8しか使わない、初心者のプレイする電車でGOという感じです。車内には「DO NOT LEAN DOORS」(ドアに寄りかからないでください)という注意書きがあり、まぁこれはわかるのですが、その横に「DO NOT HOLD DOORS」という表示もあって何だそりゃと思っていたら、駆け込み乗車の人のためにドアを手で押さえて開けておく人がけっこういる。ピンポーン ガラガラガラ とドアが閉まろうとすると、誰かがそれを身体で止めてしまって、向こうから人が走ってきて「Thank you.」と。いいのか悪いのかですな。あと日本だとストリートミュージシャンは改札の外の通路にいますが、ここではホームで演奏をしています。それがまた浜松駅前の下手クソな騒音公害とは違ってとても上手い。演奏許可証をもらうにはまず駅職員の前で実際に演奏しなくてはならず、職員が下手だと思ったら許可証がもらえないということのようです。ひとりでギターを弾くだけでなく、何人かでバンド演奏をする連中がいたり、スチールドラムで陽気なメロディを奏でる人がいたり、キーボードとアンプを持ち込んでピアノ演奏をする人などいろいろでした。

グラウンドゼロそしていよいよやってきましたグラウンドゼロ。きのうもらった券を警官に渡し、観覧台へ向かいます。後から後からどんどん人が来るので、5分間で入れ替えということです。で、順番がやってきて実際にその地を見てわけですが、ガレキや灰はほぼ完全に取り除かれていて、見た目にはほとんどただの工事現場といったところです。ここにあんな超高層ビルが2つも建っていたなんてまったく信じられません。おそらく地元の人から見ればまるで違う景色なのでしょうが、初めてここへ来る人間が見たところで、特に茫然とするでもなく、これからビルか公園でも造るのかなというのんきな考えしか浮かんできません。テロ直後にこの場所を訪れればまだ何かしらの感慨があったのかもしれません。それは人の死体やガレキが転がっているからというよりも、ビルに飛行機が突っ込んでそして倒壊するというあの映像の衝撃がまだ残っているときだからということです。すでに半年近くが経過し、ここは日本から見れば地球の反対側、自分と直接的に関係する点はほとんどない。未曾有の凶悪事件の、その現場にやってきたとはいえ、映画をテレビで見るか劇場で見るかくらいの差しか感じられませんでした。

グラウンドゼロ←それにしても、いやー不謹慎だということは百も承知ですが、ガイジンのこういうやりすぎ感には笑えてしまいます。ここまでくるとほとんどギャグだろという気もしてしまいます。しかし近くではシクシク泣いているおばあさんなんかいたりして、ほんと人間何に泣いて何に笑うのかとか深く考えさせられてしまいましたよ。いや、ウソです。そんな気持ちさえもなく、ただ数枚写真を撮ってその場をあとにしました。周りの壁には「平和に。○○(名前)」とか書かれていて、そんな簡単なことかよと疑問に思い、そのあとマクドナルドに入ってみたらレジの表示部分にまで「GOD BLESS AMERICA!!」と出ていてウンザリします。

マクドナルドでは、日本とは違ってとんでもないでかいハンバーガーかも、と期待していましたが、意外にもハンバーガー自体は全く同じでした。コーラの味のほうが違うくらいです。ただし、ポテトとドリンクのサイズが日本と異なり、Medium・Large・Superの3種類です。Mサイズが一番小さいのですがそれでも日本のLサイズくらいあるような。あと、日本ではセットメニューの名前は「バリューセット」ですが、こちらでは「Extra Value Meal」でした。チーズバーガー2個というセットがあってなかなか良いです。

WTCがなくなってしまったので、いまニューヨークで一番高いビルはエンパイアステートビル(日本語サイトもある)です。102階建て381メートル(現在世界第4位)という超高層建築が、1931年に完成しているというのはものすごいことです。WTCが建つまで41年間も世界一だったという。あまりにもベタすぎるといえばそうですが、ニューヨークへ来てエンパイアステートに上らないわけにはいかないので行ってみます。

地下鉄を降りてしばらく歩くとビルが見えてきました。早速中へドアを押して中へ入っていくと、警備員に制止され身分証を要求されました。こんな観光名所でも警備は厳重です。パスポートを持ち歩いていてよかった。宿のロッカーにしまってたら、また取りに帰らなくてはいけないところでした。そしてさらに列に並び、金属探知器の門をくぐらなければなりません。まぁこれだけ厳重にやってくれればそのぶん逆に中では多少安心できますが。展望台へのチケット売り場は地下にあるので、一旦エスカレーターで下ります。平日なのに観光客は多いです。外国人もけっこう多く、フランス語や中国語(たぶん)もあちこちから聞こえてきます。ただ、日本人はいなかったみたいです。

エンパイアステートビルよりエスカレーターで2階に上がり、そこからエレベーターで80階へ。エレベーターは非常に高速で、階数は10階きざみでしか表示されませんでした。80階で別のエレベーターに乗り換えて展望台に到着します。空が曇っていて少し暗いですが、それでも景色はすばらしい。いままで私が上った高い展望台なんて名古屋のテレビ塔くらいだったので、それより3倍以上高いところへやってきているわけですが、そこまでの実感はあまりありません。というのは周りにもそれなりに高いビルが多いからでしょうな。古いマンションやボロいホテルでも平気で20階建てとか30階建てだったりしますから。また、ニューヨークの道路は碁盤の目状になっているために通りが遠くまで見通せて、高い建物に挟まれた道路がまるで谷底のように見えます。ビルの高さでは東京など全くかないません。早く大成建設に富士山より高い800階建て4000メートルのX-SEEDを建ててほしいのものです(プププ)。

依然として体調が完全回復していないので、強風にさらされる展望台にはあまり長時間いられず下りてきます。上から見下ろすより下から見上げたほうがニューヨークのビルは迫力があります(危険だから見上げたままウロウロするのはやめましょう)。ビルの近くで、セーラームーンのポスターを見つけたので何だこりゃと思ったらマンガ専門店でした。日本のマンガも有名なものはだいたい英語版が出ています。外人作家の作品でも、いわゆるアメコミ調ではなく日本のアニメ調の絵柄を真似て描いているものもあったのですが、どうも微妙にこなれていないタッチが古いアニメ雑誌の投稿欄を彷彿させました。

フラフラ歩いているうちにトイレに行きたくなってきたので、ちょうど近くにあったメイシーズに入りました。日本でいうと丸井みたいなもんですかね。まぁ普通の百貨店なので特に売り物に興味深いものもなく、トイレに行きました。用を足して個室を出ると、私の次に入ったおっさんが首を出して手招きをします。忘れ物でもしたかと思って戻ると、何か話しかけてきます。英語がよく聞こえなかったので2回くらい聞き直してようやく、プレイのお誘いだとわかりました。話しかけてくる調子があんまりふつうだったから最初頭にありませんでしたよ。ここは発展場だったのかもしれませんな。これは失礼。ノー グッバーイと薄笑いを浮かべながら返答してその場を後にしました。いよいよ世界のナンバーワンシティにやってきたという実感がわいてまいりましたよ。ウェルカムトゥニューヨーク!

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