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2001/06/21 Thur 雨 涼 「ニュース」


友人が泊まりに来たときというのはだいたい、寝る前に「明日何時に起きる? 8時半でいい?」というような会話をして、目覚ましの時刻を設定してから就寝するものですが、翌朝鳴った目覚ましを誰かが止めて、お互いその鳴動はなかったことにしましょうという合意が暗黙のうちに形成されてしまうのもまた常でありまして、今日も起き出すのは10:00過ぎでした。

中央線に乗って新聞を読んでいると、「松下電器産業、電気バケツ『ただのバケツじゃありま洗(せん)』を発売」という見出しが。小林製薬ばりのネーミングセンスよりも、「電気バケツ」という商品カテゴリーを作ってしまったその事実に脱帽。意外と松下ってバカ家電作りの素養があって好きです。「明るいナショナル 明るいナショナル みんな 家中 電気で動く」まさにその通りでありまして、何でも電気で動かしてしまおうという発想が根底にあるのでしょう。ちなみに私は今でもこのワンフレーズを聞くだけで涙腺がゆるんでしまいます。「みんな 家中 電気で動く」未来だ! 未来が見える!

そんなわけで商品の内容を読む前にグスグス泣き出し鼻水をすすり周囲の乗客から変な目で見られているわけですが、まぁともかくこれがどんな商品か見てみますと、バケツとその底に取り付ける回転翼がセットになっておりまして、早い話がバケツがそのまま洗濯機になってしまうということです。おっこれ部屋に洗濯機置く場所がなくてコインランドリー生活の自分にはストライクな商品かも、と思いましたが、やはりしょせんバケツはバケツに過ぎないのでありまして、容量がワイシャツで2枚、タオルで5枚程度ということです。綿パンも洗えんじゃないか。脱水機能もないし。まぁ下着とかふきんとかそういうもの専用の、あくまで第二洗濯機ですな。

しかしまたこのプレスリリースが秀逸でありまして、「21世紀を迎えた今日においても、家庭には今なおバケツが存在し(中略)いろいろな用途に使われています。」って、バケツを電気で動かそうとするその考えが既に20世紀的なような気がするのですが。「当社は、本製品を通じ、バケツの用途を活かしつつ、さらに利便性を加えることによってバケツの新しい使用スタイルを提案します。」バケツによるライフスタイル提案型マーケティング! この手の売り方がお家芸のソニーも、相手がバケツでは太刀打ちできません。っていうかプレスリリース書くって大変な仕事なのですね。

事務所で作業した帰り、三鷹駅の電光掲示板に「山手線渋谷-恵比寿間で線路に人が入ったため運転を見合わせております」との表示が出ていたので、中野で乗り換えて東西線まわりで高田馬場へ帰還。帰ってから調べたら、渋谷-原宿間じゃん。


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