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2000/07/15 Sat 曇のち晴 暑 「特殊浴場」


休日にしては珍しく朝早くから目が覚めたので、ド久しぶりにバイクで走りに出ることにしましょう。しかし、昼前から5ミリ以上の雨という予報なので遠出はできません。ということで行き先は前々から気になっていた引佐郡引佐町の「渋川温泉」になりました。浜松市都田地区から引佐町渋川地区への道は、程良いカーブが続き、走り屋たちには大好評なのですが、その渋川に温泉があると聞けば行かずにはいられません。

というわけでいつものようにバイクを走らせて北へ。「いつものように」なんて書いてしまいましたが、この方面へ走りに出かけるのなんて4月の半ば以来ですよ。もう3ヶ月もこの道を走っていなかったのか。全然そんな感じしないのですけどね。この3ヶ月がいかに飛ぶように過ぎていったのかを実感。本当にただただ働いていただけのような。

しかし身体は正直で、以前はきれいにクリアできていたコーナーが全然決まらなくてボロボロの走りです。3ヶ月山道を走っていないだけでこれですか。ただでさえ無い腕がますます落ちてしまいました。なんて思いながらおっかなびっくり走っていると、後ろのほうから漆黒のスカイラインが迫ってきたので、道を譲ります。スカイラインはR32のGTSターボでしたが、乗っていたのは中年、いや初老といったくらいのほうがいいくらいの夫婦ですよ。おっさんがんばるねー、なんて思って見ていましたが、カーブの前では適切にプレーキング・シフトダウンして、コーナー出口への立ち上がりは機敏で、非常にあざやかな走りでした。スポーツだけどジェントルなドライビング。そんな初老の夫婦によく似合うR32でした。

私も次第にカンを取り戻し、40km/hの道を最高ぬわわkm/hくらいで走れるようになってきました。いや、メーターなんて誤差が下に出るように作ってあるんだから、実際はそんなに出ていませんよ。Maybe。出発から1時間ほどで到着……したところには民宿みたいなのが一軒あるだけなんですけど。ここが温泉なんですか。しかしそこの名前が「湯元館」なので間違いないでしょう。玄関へ入っていきます。

玄関はガラ開きですが人の気配がしません。ごめんくださーいと声を発したら中からおばさんが出てきました。「ここはお風呂だけでも入れてもらえるんですか」「はいはい、何名様で」「いや僕一人なんですけど」ちょっとここで待っていてくれと言っておばさんは奥へ行ってしまいました。座って待つこと約10分。途中何度か忘れられてしまったのかとも思いましたが、おばさんがまた出てきました。

入浴料500円を支払い、おばさんの後についていくと「はい、そこの電気ついてるとこね。いまお湯出てるから適当に止めてね」と言われ、どうもと言って脱衣所へ入り、脱いで風呂場の扉を開けると、なんと個室! 温泉というからには大浴場とかないのですか。などと思いましたが、あとでここのチラシを見たところ、大浴場は別にあって、こっちは家族用の風呂のようでした。まぁ、写真を見る限りでは大浴場もせいぜいこれを2.5倍くらいにしたところのようですが。

目地の細かいタイルの黄ばみに年季を感じながら、実は温泉とか言いながら水道水じゃねぇのかとか思いながら、個室という空間について「実は昔ソープとして営業してたんじゃ」とか思いながら、いや、ここには「ソープ」なんてナウい言葉よりも「トルコ」がピッタリだなんて思ったりして。肌がスベスベするので温泉であることは間違いない模様ですが、効能表示がどこにもないところがまたかなりウサン臭くて、いやハッキリ言ってこういうところって、私大好きです。お問い合わせはこちらへ。

いなさ渋川素朴な里 一軒宿の「湯元館」

〒431-25 静岡県引佐郡引佐町渋川
TEL渋川局<0535>45-0013
FAX   <0535>45-0013

チラシより原文ママ。郵便番号5ケタですか。おまけにこの住所、番地がないんですけど。まぁ、渋川までたどり着けば誰に聞いても分かるはずです。ファックス回線もあるのか、と思ったら同番だし。

帰ってきて、やっぱり朝早く起きたのが災いして、真っ昼間から寝てしまいます。3時間以上寝てしまって、起きるともう夕方です。ヤマハライフサービス本社店で惣菜など購入して夕食とします。そして、学校の情報社会演習室へ行って、おとといレンタルした映画「未来世紀ブラジル」を鑑賞。

そこそこ有名な作品なので見たことがある方もいるでしょう。近未来世界モノで、内容はSFというより、テクノロジー主義に対する警鐘としてのブラックユーモア。最初の5分くらいでもう完全に引き込まれましたね。そんでもって、何がよかったって、ハッピーエンドを迎えなかったところ。こういうの、いいねぇ。かなりセットとか凝ってましたけど、制作にいくらかったんでしょうねぇ。

「モダンタイムス」に始まるテクノロジー批判ものって、やっぱり面白いですね。何でかって、どんなに空虚だって、どんなにアナクロだって、やっぱりこういう映画に出てくるような近未来世界って、あこがれてしまいますからね。で、自分だけは絶対こういう世界には完璧に適応してうまいこと生きることができるという自信がありますから。もしこんな近未来が本当に実現したら、言うまでもなく今の私のような考えのやつが一番危ないわけですが、まぁそれも合わせて面白いんじゃないかという。


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