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2001/05/24 Thur 雨 蒸暑 「怪県」


昨日秋葉原中をかけずり回って探せなかったソフトですが、もう1日だけ探してほしいということなので本日も探索作業です。とはいえどこを探していいものやら……まずはWebで探そう。最近は中古ソフトをWebで売ってるところも多いですから。

調べてみると、Web通販をがんばっているのは地方の店が多いです。そりゃ地理的デメリットをカバーするための通販でしょうからな。しかし、今回は急ぎで必要なものなので、直接店に出向いて購入できなければ間に合いません。そうこう探しているうちに、埼玉県は越谷市にある「シンメイ堂」に、求めるソフトがありそうだということが分かります。営業開始の10:00を待って電話を入れ在庫確認。確かに在庫アリということなので早速飛んでいきます。

飛んでいくといっても、越谷までは都心から電車を乗り継いで片道約1時間かかります。北千住から東武伊勢崎線に乗って北上。建物の密度がだんだん低くなっていき、何だかずいぶんのんびりしたところへやってきてしまいました。越谷駅で下車。市役所の最寄り駅なのに、とても静かで広々としたところでした。埼玉県ってさいたま市以外は本当にカントリーサイドなのだと実感。

住所だけを頼りに、コンビニで地図を確認して歩いていきます。駅から10分ほど歩いたところで「シンメイ堂」を発見。元来の本業は文房具店だそうで、外には「ゼブラボールペン」等の看板が見られます。文房具店は子供もよく利用するので、副業で中古ソフトの買い取りを始めたのでしょう。

しかし店内に足を踏み入れてみると、どう見ても文房具店の雰囲気ではありません。店内をグルリと取り囲む形で壁に沿ってに並ぶ棚は、見渡す限りスーパーファミコンソフトでいっぱいです。一体何本あるんだ。スーファミだけで1000本くらいありそうです。ガラスケースの中にはゲームボーイソフトがずらり。ファミコンはもちろんのこと、サターンやプレステのような比較的新しいソフトの在庫もなかなか豊富です。

電気街の一部の店のように、レアソフトが高額の値札をつけて陳列されているようなことはありませんでした。単純に、できるだけたくさんの種類のソフトを仕入れて、500〜3000円といった常識的な価格で販売しているようです。だから、ファミコンの『メタルスレイダーグローリー』に代表されるようなコレクター向け商品はほとんどありませんが、昔売って処分してしまったけどまた遊びたいな、というソフトを手に入れるなら非常に使える店だと思いました。

いろいろと物色したいのですが、今日は時間がキツキツなので、店のおじさんに「朝電話した者ですけど」と伝え、手早く目的のソフトを取り出してもらいます。「雑誌の企画でどうしても必要だったんで助かりましたよ」「そうですか、遠いところわざわざありがとうございます。どうやってここ見つけたんですか」「このソフトの名前を検索したら、こちらの在庫一覧のページが出てきたんです」「へぇー! ソフトの名前で検索できるものなんですか」っておじさん、毎日熱心に在庫リスト更新してるのに、ロボット型サーチエンジンも知らないんですか! カッコ良すぎ! こうして私は埼玉県にミステリースポットのレッテルを貼り、1時間かけて編集部へ。品物を渡して、すぐにまた出発。

ずっと前にアスキーに履歴書等書類送ったのですが返事なくて、こりゃダメだなと思い込んでいたら、この間突然会社説明会兼筆記試験の案内がやってきました。というわけで初台へ。開始10分前に開場しますという案内だったのですが、開始8分前くらいに着いたらもうほとんど満席でした。到着が早すぎても相手には迷惑なものだぞ、少しはわきまえたまえチミたち! という私はいつもどこへ行くのもギリギリです。8分も余裕があることはめったになく……。

最初の45分くらいはPowerPointプレゼンテーションによる会社説明。Webのほうが詳しいくらいで、業績の最新の数字以外は知っていることばかりでした。っていうか日本のパーソナルコンピュータの歴史に少しでも興味ある人なら、アスキーがこれまでどんなことしてきたかって知らないはずがありませんからな。続いて先輩社員のお話というオーソドックスな流れですが、実はここがアスキー的で、一通り仕事をしてきた入社3年目とかの社員にしゃべらせるのではなく、つい先日入ったばかりの新入社員がぎこちなくしゃべるという。正直な物言いで楽しかったです。その後質疑応答。経営面についての質問しようかなどうしようかなと思っていたら、同趣旨の質問を他の人がしてくれました。全社一丸となってがんばります的な解答でしたが。代わりに、配属について普通の質問をします。

休憩を挟んで筆記試験。時間は75分。試験といっても問題を解くのではなく、時間内にエントリーシートを書くようなものでした。だから、今後も別の試験日が予定されているのにこうしてネタバレできるのです。会社に入ってやりたいこととか、あなたが今一番興味あることとか。最後の問題は400字の作文で、テーマは「もり」。それまでの問題に答えるのに時間がかかってしまい、もう残り10分くらいしかなくて困った困った困った。少なくとも「森」で書いたら絶対に面白いものになりそうにないので(今から考え直せば森IT革命で何か書けたかも)、いやーどうしよう。

 そば屋へ行くと「もり」と「ざる」がある。私は最初この違いが分からず、どっちもざるに乗っているから同じざるそばじゃないかと思っていたが、「ざる」だけにきざみノリが乗っていることに最近気がついた。
 「もり」を600円で提供している店では、「ざる」は700円くらいで提供される。ノリだけで100円も取るとは何事だけしからんと、それ以後私は「もり」のみを注文するようにしていた。

何だこりゃ。このままではオチをつけられそうにない。やっぱりそばネタはやめて書き直そうかと思うも、もう時間はわずかしかありません。

 ある日、昼食のために立ち寄ったそば屋で品書きを見た。「もり」は、600円だった。「ざる」は、600円だった。私は大きな衝撃を受けた。ノリがタダで喰える。私は、大きな声で高らかに「ざる」を宣言しようと、奥にいる店主の方を向いた。店主と目が合った。
 私は、「もり」と叫んでいた。これで勝ったとは思わないが、少なくとも、負けた気はしなかった。

時間終了。作り話は苦手だ。

就職活動のため東京に着ている連れが泊めてくれというので、高田馬場駅前で合流。大戸屋高田馬場さかえ通り店でさっぱり豆腐サラダ定食(590円+大盛り60円)。うちへ帰って、私はひたすら深夜まで作業作業。せっかくなのにあまり話とかできなくてすみません。


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